富士通のオープンソースへの取り組み

By July 13, 2020July 20th, 2020News

はじめに

こんにちは。富士通の青木です。
富士通で唯一”オープンソースソフトウェア(OSS)”という名前が付く組織「OSS技術センター」に所属しています。
私のプロジェクトでは、社内でのOSS利活用推進全般を実施しています。
今日は、OpenChainプロジェクトの活動に至るまでの富士通のOSS専門組織や社内の関連部門とスクラムを組んで歩んできた取り組みについてご紹介します。

富士通のオープンソース専門組織「OSS技術センター」

富士通とOSSとの関わりは、1999年に富士通サーバーのLinuxサポートをスタートし、現在のOSS技術センターの前進組織として2000年1月設立の富士通Linuxセンターが発足しました。

OSS技術センターの発足

ミッションクリティカルな領域でOSSがどんどん使われるようになり、富士通社内でもOSSの重要性が認知されて、お客様の要件や用途に合わせた適材適所なオープン技術の選択によってお客様の新たな価値を創造していくことを目指して2005年11月に専門組織「OSS技術センター」が組織化されました。

OSSの選定や技術支援など富士通のフィールドと一体となった活動には多くの実績がありますが、ここ3年ほどはOSSのライセンスリスクや技術リスクなどをお客様自身が課題ととらえて、様々な相談が寄せられるようになってきています。

社内でのOSSコンプライアンス活動

キャプチャ.GIF

社内では、ツールを利用したOSSの混入チェックや、ライセンスポリシーを自動判定、さらにBOM管理を実施して、脆弱性を通知するサービスを開発部門へ提供し、OSSのライフサイクルマネージメントを実現しています。

主に実施していること
・利用しているOSSの見える化。
・製品で利用しているOSSコンポーネントとライセンス情報や脆弱性情報との紐付け。
・会社として問題ないと判断したソフトウェア/バージョン/ライセンスのリスト化と判定。
・工程ごとの承認の仕組みとエビデンスを導入。(ワークフロー機能)

社内プロセスの整備

上記の仕組みを確立するまでは、長い時間をかけ、知財部門、品証部門、もちろん開発部門も巻き込んで、社内でライセンスを正しく守りつつOSSを利用するための枠組みを整理しました。
知財部門が中心となって、OSS利活用ガイドを作成しルールとプロセスを定め、全社規格や部門規格にOSSの規定を盛り込んでいます。

キャプチャ1.GIF

富士通では、適用領域が多岐にわたることもあり、複数の部門横断の体制を組み総合力を活かしてOSSの活用を推進しています。

OSSの利用拡大と全社教育

OSSがOSの模倣や商用製品の代替と呼ばれていた時代から変化し、AIなどをはじめとするデファクト技術がOSSから生まれるようになり、我々の業務もかなり変化をしていると感じます。
少し前までは開発に携わるキーマンがOSSのライセンスについて熟知していればよかったところ、今や調達部門や営業部門などもOSSに対する知識を身に着けていく必要があると感じています。
そこで従来は、開発部門に向けた集合教育やe-learningをメインに実施していましたが、2年前に全社員を対象にしたリテラシー教育を新規に作成し、e-learningでいつでもだれでも受講できるようにしています。
どちらかというと、OSSのライセンスの話や義務履行の話が多いため、今はOSSのコントリビューションの教育を整備しているところです。

OpenChainプロジェクトとの関わり

2017年12月のJapan WG発足時に、トヨタさん、日立さん、SONYさん達と富士通の知財部門や組込みLinuxの開発部門がOpenChainの日本の活動を盛り上げようと参加しています。
サブWGのFAQ, ライセンス情報, Planning, Promotionなどなどで10名ほどが活動しています。
富士通では、グループ会社を含む全社活動のOSS利活用WGにてその活動報告を共有し、仲間づくりを進めつつ、もっともっと参加していくべきということで、2019年2月にplatinumメンバーになりました。
今年度は、社内でも全社員に向けたメールマガジンで、OpenChainの紹介をしたり、Japan WGの本会合を社内で開いたりして、今まで興味をもっていなかった営業部門ほか関係部門の方々にも活動をアピールしています。

SPEC2.0 認証

2019年11月に富士通は自己認証を取得しました。もともと整備してきたOSSの全社規格や部門規格をあらためて見直し、OpenChain仕様にそって改善を加え、知財部門、OSS技術センター、開発部門(組み込みLinux開発部門・ソフトウェア事業部門)と大きな組織で教育展開を一斉に実施し、認証を取得しました。
これは、従来のプロセスやルールを振り返るとても有意義な取り組みで、教育の再実施により、デファクトスタンダードとなる仕様と自分たちの実践活動を紐づけができた、とてもいい機会となりました。今後も継続して仕様に準拠して取り組んでいきたいと思います。

OSPOとして

OSS技術センターが富士通のOpen Source Program Officeとして社内外から認知されて相談に乗れるように、今後も専門組織として取り組んでいきます。
また、富士通はグローバルカンパニーとして、富士通の北米、欧州、アジア部門とも連携してOpenChainの取り組みをはじめ、連携しながら活動していきます。

今後は、社内実践で培ったノウハウをお客様やパートナー様へ向け提供し、OpenChainプロジェクトやオープンソースへの貢献を実施していきたいと思います。

明日のテーマは・・・

明日は、浜さんのFossology の新しいOSSライセンススキャンについてです。Fossologyは私も使っていて今後SW360との連携もとても興味深いです。楽しみにしています!!